©西森博之／小学館©︎2020「今日から俺は!!劇場版」製作委員会
７月１７日（金）から全国ロードショーの映画『今日から俺は！！劇場版』。
ドラマ「今日から俺は！！」に続き、大部分の撮影が市内各所で行われました。
　
今回、本作で脚本・監督を努めた福田雄一氏（小山市出身）から足利市の皆様にメッセージをいただきました。
▲福田雄一監督
福田監督が作品を通じて感じた足利市の印象や作品の見どころをお楽しみください。
　
　
ーー福田監督にとっての『今日から俺は！！』とは
初めてドラマで手応えを感じた作品ですね。僕、ドラマが当たらないんですよ、全然。
深夜とかではいろいろやらせてもらっていて、話題にはなってるんですけど、結果が出てないんです。
本当、視聴率に恵まれない男なんですよ。だから本当に結果が欲しかったんです(笑)。
どうやったら日曜日の夜のこの時間にいい数字が取れるのかなってものすごい考えましたもんね。
それで言うと、初めて結果というか、ちゃんと形にできたというのが正直な感想ですね。ようやく数字取れたな、みたいな。
それが映画化となって、嬉しかったと言うか、生意気なこと言うと当然だって思ってましたね。
当然の流れだと思ってたところがあって、連ドラの途中にみんなに言ってましたから。
続編やってやろうか、映画やってやろうかみたいな。それくらい余裕があったというか。
“やったー！”という感じではなかったですね。“よしっ、じゃあ映画やるぞ！”みたいな感じでした。
　

ーー『今日から俺は！！劇場版』でこだわった点
アクションの幅をデカくしたいというのがありましたね。アクションはちょっと規模を大きくしたいなと。
やっぱりくだらないお笑いのところと、アクションの二極がないと面白くないなという。
最終的にあれだけ大きい規模でやれて、非常に映画的ではあったかなという感じはします。
ドラマのときもアクションは派手にやっていて、血をドバドバ流させたりしてましたけどね(笑)。
映画になると、ちょっといろいろ引っ掛かってくるものがあるので。
大掛かりなものっていうことになるとドラマではあまりできてなかったなというのがあったので、そこはやりたいなというのはありましたね。
若干ハードなものにはなっているんですけど、基本的にはドラマと路線はそんなに変わってないです。
いわゆる勧善懲悪で、最後には正義の味方が悪者をやっつけるっていうところは変わらない路線ですね。
加えて、これまでの敵同士が仲間になって戦うっていう流れもあって、そこもドラマを踏襲しているところです。
大掛かりにはなっていますが、映画になるからって急にものすごく変わるっていうことではなく、ドラマの魅力を入れつつという。
ＴＶシリーズを見ていた人たちが欲しいものをどういう形で提供するかはすごく考えました。
　
ーー足利のイメージと作品のマッチ具合
足利は昼間、人が出歩かないんですよね。
足利は歩いてる人がいないっていうのが僕のイメージ(笑)。車移動の街だからなんですかね。人が全然いないんですよ。
学生さんたちも気を遣ってくれているのか分からないですが、撮影していても素通りしていってくれて。
足利市駅があって、渡良瀬川を境にして街の様子が変わるんですよね。50号線側はすごく発展してるんですよ。大型電気店とか量販店とかあって。
でも、もともとあった旧足利西高校のほうの町並みっていうのは全然何も変わらず、そのままなんですよね。
それは本当にありがたいというか、80年代の作品をやるにはぴったりだったんですよ。
古すぎなくて、見たことあるような懐かしさもあって、絵になる。そういう意味で『今日俺』にすごくマッチしました。
そう言えば西高って、女子校だったんですよね。今回、苦労しましたもん。
トイレのシーンがあったんですが、職員用の男子トイレしかなかったので、女子トイレのドアを入れ替えて撮影しました。
　
▲北仲通りでの撮影風景
ーー足利での撮影について
他の作品でも足利での撮影は多いですね。
一番いいのは、発展してないところ(笑)。いい意味で発展してないんですよ。非常にいい意味で発展してない街(笑)。
あまりそう言うと何ですが、足利の人たちは発展してないというと喜ぶんですよ。これ間違いないです。
皆さん思っているみたいなので、そう言ってしまっても大丈夫です(笑)。
本当、いいところなんですよね。東京から遠すぎずで、町並みも良くて、美味しいものも多くて。いい人も多いです。
あと、映像のまち推進課がものすごく熱心なんですよね。こちらが要求するものや、欲しいものを的確に出してくださって。
ただ、担当のシマダさんが今度異動になってしまったという話を聞いて、非常に残念なんですけどね。
でもすごく熱心で、撮影しやすいです。僕にとっては、撮影においても、食事においても最高の土地です(笑)。
いつも行くところは、割りと決まった場所なんです。何せマップまで作られてますからね(笑)。
今回は泊まりがそんなに多くなかったのであまり行けなかったんですが、いくつか行きましたね。
　
ーー足利市の方々へのメッセージ
足利あっての『今日俺』なので、次また続編をやることになったときはお世話になります。
今回も各所でいろいろロケをさせていただいたので、足利の皆さんにもぜひ楽しんでいただきたいです。
もしロケを見かけたらちょっと声でも掛けて欲しいなっていうのはありますね。
本当に誰からも声を掛けられなくて、“あれ、売れた（＝ヒットした）はずなんだけどな!?”っていう(笑)。
人が集まっちゃったときの対策をすごく練っていたんですが、まったくその必要はなかったですね。
もうちょっと売れちゃったな～っていう実感を味わいたかったです(笑)。
いっそ、中断になるくらいのパニックも味わってみたいですね。
人が集まっちゃってどうにもこうにもならないみたいな。あんまりそんなこと言っちゃいけないんですけどね(笑)。

◯プロフィール